ランチア・デルタを走らせていると、ステアリングを切ったときやサスペンションが動いたときに、タイヤがボディへ当たることがあります。
ずっと当たり続けるわけではありません。でも、走らせていて「今、擦ったな」と分かることがある。
原因はデルタのボディなのか、タイヤなのか。それとも、中古で買ったときから手が入っていたTT-02シャーシとの組み合わせなのか。
比べる相手がいないと分からないので、標準に近い完成済みTT-02をもう1台、7,500円で買うことにしました。
ここまでは、タイヤ干渉の原因を調べるための、わりと筋の通った買い物です。
ところが、そのシャーシが届く前にホンダNSXへ一目惚れしてしまいました。
そして届いた比較用TT-02へNSXのボディを載せてみると、これが驚くほどぴったり。
今回は、デルタの問題を調べるために買ったシャーシが、なぜかNSX用として落ち着くまでの話です。

デルタを走らせると、タイヤがボディへ当たる
このランチア・デルタのTT-02は、中古で購入したものです。
購入した時点ですでに、ステアリングの切れ角を増やす加工と、サスペンションストロークを増やす加工が施されていました。
ステアリングの切れ角が増えれば、前輪は純正に近い状態よりも大きく向きを変えられます。サスペンションストロークが増えれば、路面の凹凸に合わせてタイヤが上下へ動ける範囲も広がります。
どちらも走らせ方によっては嬉しい変更です。ラリーカーらしく少し荒れた路面を走るなら、よく動く足まわりは頼もしい。
ただ、動く範囲が広くなれば、タイヤがボディへ近づく場面も増えます。
ステアリングを切ると、前輪はその場で向きを変えるだけではありません。タイヤの前端と後端が円を描くように動きます。そこへサスペンションの上下動が重なると、まっすぐ静止しているときには余裕があっても、走行中だけタイヤとホイールアーチの内側が近づくことがあります。

加工済みシャーシだけが原因とは限らない
では、切れ角とストロークを増やした加工が原因なのか。
現時点では、そこまでは断定できません。
タイヤとボディの干渉には、いくつもの条件が関係します。
- タイヤの直径と幅
- ホイールのオフセット
- ボディを載せる高さ
- ホイールアーチとタイヤの前後位置
- ステアリングの最大切れ角
- サスペンションが沈み込む量
デルタのボディ形状やラリータイヤの大きさが主な理由かもしれません。ボディの取付位置や高さが影響している可能性もあります。もちろん、切れ角とストロークを増やしたシャーシとの組み合わせで干渉しやすくなっていることも考えられます。
しかし、比較する車体がないままでは、どれも「ありそう」で終わってしまいます。

原因を比べるため、完成済みTT-02を7,500円で購入
そこで、比較用として標準に近いTT-02を1台用意することにしました。
購入したのは、すでに組み上がっている完成済みのシャーシ。価格は7,500円です。
同じTT-02がもう1台あれば、デルタに使っているカスタム済みシャーシと並べられます。同じボディやタイヤを使って条件をそろえ、切れ角や足の動きを一つずつ比べれば、原因を切り分けやすくなるはずです。
僕としては、あくまで検証用の買い物でした。
「原因を調べるために必要だから」
ちゃんと理由があります。
大人の趣味で物が増えるときは、だいたいその瞬間ごとには、ちゃんと理由があるものです。

その頃、タイレルP34を買っていた
話は少し横へそれます。
比較用TT-02を注文したちょうどその頃、僕はタミヤのタイレルP34も購入していました。
6輪のF1。あの独特な姿を自分で組み立てられると思うだけで楽しい。
ただ、箱を眺めながら別の疑問も浮かびました。
「こんなに車高の低いF1を、普段どこで走らせればいいんだろう?」
いつも遊んでいるバギーやラリーカーなら、多少の段差や砂、小石がある場所でも走らせられます。しかしF1は明らかに路面を選びます。
せっかく組み立てても、走らせられる場所がなければ寂しい。
そこで考えたのがツーリングカーでした。
同じオンロードカーでも、ツーリングカーならF1より少し気軽に持ち出せる。もちろん平らな舗装路が向いていますが、走らせる場所の選択肢は増えそうです。
もう一つ考えたことがあります。
タイレルを息子と一緒に走らせに行ったとき、僕がタイレルを走らせている間、息子は何を走らせるのか。
せっかくなら、親子でオンロードカーを並べて走らせても面白い。
そんなことを考えながら、Amazonを見ていました。
塗装済みのホンダNSXに一目惚れ
そこで見つけたのが、塗装済みのホンダNSXボディでした。
格好いい。
完全に一目惚れです。
タイレルと一緒に走らせるツーリングカーを探していたはずなのですが、その瞬間には、ほとんどNSXしか見えていません。
しかも、その商品には未組立のTT-02シャーシが付属しています。ボディだけではなく、組み立てれば1台完成するセットです。

これなら息子とオンロードを走らせられる。
そう考えて購入しました。
ただし、当然ながら付属のTT-02は未組立です。NSXを走らせるには、まずシャーシを一から組み立てなければなりません。
タイレルもこれから組み立てる。NSXのTT-02も組み立てる。
楽しい作業ではありますが、走らせられるのはもう少し先になりそうです。
そのとき、気づきました。
「待てよ。デルタの比較用に、完成済みTT-02を注文している。それをNSXに使えば、先に走らせられるじゃん!」
検証用のシャーシが、まだ届いてもいないうちから別の仕事を任されました。
届いたTT-02をデルタ用と並べてみる
やがて、7,500円で購入した完成済みTT-02が到着しました。
さっそくデルタに使っているTT-02と並べます。
同じTT-02でも、見比べると違いがあります。
まず目につくのがボディポストです。ボディを支える柱で、位置や突き出し量によってボディの高さが決まります。
ダンパーまわりも同じではありません。デルタ側にはCVAオイルダンパーが付き、サスペンションの動く量を増やす方向に手が入っています。今回届いたシャーシは、より簡素で短いダンパーを使った低い姿勢です。
一方、今回届いたシャーシは、低い乗用車型のボディを載せるツーリングカーとして使いやすそうな姿勢になっていました。
ここで言えるのは、あくまで実物を並べて見えた範囲です。ダンパー内部のオイルやスプリングの硬さ、ギヤ比など、外から確認できない仕様までは分かりません。

タイヤとホイールを付けたら、さらに期待が高まる
届いたシャーシへ、NSXに使うタイヤとホイールを取り付けました。
これだけでも、すでにツーリングカーらしい雰囲気です。
シャーシ単体で届いたときには「比較用のTT-02」でしたが、タイヤを付けた途端に「NSXの中身」に見えてきます。
こういう瞬間が楽しい。
まだボディを固定していないのに、机の上で何度も眺めてしまいます。

実際に平らな場所で測ると、シャーシ下面の最低地上高はおよそ14mm。デルタ用の車体とは、数字の上でも立ち姿が違います。

NSXを載せたら、想像以上にぴったりだった
そして、いよいよNSXのボディを載せてみます。
ぴったりでした。
まず、ホイールアーチの中へタイヤがきれいに収まります。前後とも、タイヤの位置が不自然に寄って見えません。
ボディの高さもいい。低すぎてタイヤへ覆いかぶさる感じもなく、高すぎて腰高に見える感じもありません。
ボディポストも都合のよい位置にあり、全体の姿勢がすっと決まりました。
前から見ても、横から見ても、後ろから見ても、ちゃんとNSXらしい低く構えた姿になっています。




デルタのタイヤ干渉を調べるために買ったシャーシです。
ところが実際に届いてみると、ツーリングカーとして使いやすい立ち姿で、ボディポストもNSXに合わせやすい。そこへタイヤとホイールを付けてボディを載せたら、まるで最初からNSX用に選んだように収まりました。
もちろん、そんなつもりで買ったわけではありません。
ただ、ラジコンをいじっていると、ときどきこういう偶然があります。
別の問題を解決するために用意した部品が、思いがけず新しい一台へつながる。
予定どおりではない。でも、予定どおりではないから面白い。
NSXを載せた瞬間は、今回の遠回りが全部つながったようで、かなり気持ちのいい瞬間でした。
デルタの干渉問題は、まだ終わっていない
NSXがきれいに載ったからといって、デルタのタイヤ干渉の原因が分かったわけではありません。
そこは、これから改めて検証します。
比較するときは、できるだけ条件をそろえる必要があります。同じデルタのボディと同じタイヤを使い、ボディの高さも合わせる。そのうえで、まずステアリングだけを切る。次にサスペンションだけを沈める。最後に、操舵と沈み込みが同時に起きた状態を見る。
一度に全部を変えると、何が効いたのか分からなくなります。一つずつ比べれば、ボディやタイヤ側の条件なのか、切れ角やストロークを増やしたシャーシとの組み合わせなのか、少しずつ絞り込めるはずです。
そして、未組立のTT-02が1台残った
今回の流れを整理します。
デルタのタイヤが当たった。
原因を比べるため、完成済みTT-02を買った。
その頃、タイレルP34を買った。
タイレルをどこで走らせるか考えた。
息子と一緒に走らせるオンロードカーが欲しくなった。
NSXに一目惚れした。
完成済みTT-02へ載せたら、驚くほどぴったりだった。
どの買い物にも、そのときはちゃんと理由がありました。
そして今、NSXには完成済みTT-02が収まり、NSXに付属してきた未組立のTT-02が1台残っています。
問題を解決するためにシャーシを買ったはずなのに、なぜかシャーシが余る方向に進んでいる。
大人の放課後は、だいたいこんな感じです。

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